自動車部品設計という仕事

自動車部品設計への就職や転職を考えている人へ

『設計』という業種への就職や転職を考えている人は、まだまだ多いと思います。
これからの産業の方向性を考えても、『モノ造り』と言う業種が無くなる訳ではなく
その中でも、『自動車』を造る『設計』と言う仕事は、まだまだ可能性や魅力があると私は思います。
『自動車業界の未来』や『設計職の在り様』については、色々なご意見があると思います。
それに対する私の見方は、また別でお伝えしたいと思いますが、
ここでは、先ずは『自動車部品の設計』がどんな仕事なのか?現場から見た生の声をお伝えし
皆様のキャリア形成に役立てて頂ければと思います。

設計業務は、大きく2つに分類できます

『設計職』に憧れややりがいを感じている方は、自分が考えた形や構造をモノにしたい。。。
といった思いや、開発の現場でリーダーシップを発揮し、色々と決断している姿への憧れなど
夫々に想い描く『設計者像』があると思いますが、自動車業界において、業務としては大きく二つに分類されると思います。
それは、『先行開発設計』と『製品設計』です。
呼び名は、会社によって様々かとは思いますが、概ねこの2つでしょう。
その業務内容をざっくり説明すると。。。

『先行開発設計』 
これは、いつか商品化するかもしれない次世代製品を評価するための試作品を造る為の設計です。
新しい技術を取り入れたり、今までにない造り方や構造を取り入れたりしながら、次世代製品を検討します。
この業務は、とてもクリエイティブでイノベーティブな側面も持ちますが、細かな改善などの積み重ねによる、
原価低減や質量低減へのと言った、地道な検討も多いことも事実です。
ただ、自分が設計したモノが、そのまま商品として販売されることは無いことが多いと思いますが
自分のアイディアが、次世代の製品の一部として世に出て行き、その領域の未来を造っているという
魅力は感じる事が出来るポジションだと思います。

『製品設計』
こちらは、まさしく、販売を予定している製品の設計です。
当然、量産化を目的として設計する為、新規性よりも実績、挑戦よりも安定的な設計を重視します。
設計は、要求される性能やデザイン性の実現と、背反する原価や質量また生産性との調整を
タイトな日程の中で決めていく、重要な業務となります。
自動車の開発は多くの機能部署や仕入先が絡み合い、それぞれの立場によって優先順位や死守するポイントが違うため
一つ一つ合意形成しないがら進めていくことはとても大変です。
その中で『設計者』は中心的な役割を担っていると言えます。
もちろん、作図と言った作業も行いますが、そういった合意形成の結果として『図面』が完成します。
『設計職』に抱いていた花形的なイメージを思っていた人の気持ちがなえてしまうポイントではあると思いますが
約2年をかけ多くの仲間たちと造り上げ、市販されている製品を見る事は、まさにモノ造りの醍醐味でもあると思います。

どちらの設計も、アウトプットは『図面』である

それぞれの業務詳細については、また記述したいと思いますが、どちらの立場であっても
設計のアウトプットは『図面』であると言えます。
私自身も、新人時代に上司から、『設計者のアウトプットは、図面と部品表だ!』と教えられたものです。
『図面』『部品表』の目的は、後工程となる製造部門や管理部門また仕入先が、設計者の意図を忠実に具現化する事です。
設計者の分身となって、その意図を伝える為の大切なツールであると言えます。
『部品表』は、製品をくみ上げる為の部品構成や発注を間違えなく行うためにも、とても重要なツールですが
やはり『図面』の完成度を上げる事が『設計職』だと言い切っていいと思います。

最後に、どちらにも言える事

今回、これから自動車部品設計への就職や転職を考えている方に向けた入口として書かせて頂きました。
細かな業務内容については、追々記述して行こうと思いますが、
『設計』と言う仕事にどんなイメージをもたれていましたか?
『設計』という仕事は、ただただCADに向かって、自分の造りたいものを図面化する・・・というイメージでしょうか?
それとも、斬新かつ先進的なアイディアを提案し、世の中をアッと驚かせるようなモノを考える・・・というイメージでしょうか?
まあ、そういう局面もありますが、関係部署や仕入先との協議の時間が大半をしめる事が現実です。
そう、実は人間関係の仕事でチームプレイという事です。
これが重荷になるようであれば、あまりお勧めはしません。CAD操作のみに特化した『CADモデラー』という
職でその世界を体感するのもいいかもしれません。
また、当然ですが、経験値によっても段階がある為、新人のころはCADに向かう時間も多いと思います。
ただ、私が考える『自動車部品設計』と言うのは、『造りたいモノを図面化する』のではなく
『全体の最適解を見いだす』と言う仕事であると思います。
自分が考えている『造りたいモノ』と言うのは、必ずしも『必要なモノ』とは限らない訳ですし
強く自分の造りたいモノを具現化したいのあれば、『起業』することも選択肢かと思います。
ちなみに私は、『起業』の道を選びました。。。
とはいえ、自分が書き上げた図面がモノになり、関連部品と組みあがった結果がクルマとなる。
そして、そのクルマが世に出て行き、世界中の人の生活を支えている。。。
この醍醐味が味わえるのも、自動車部品設計ならではだと思います。
是非とも『設計』という仕事を楽しんでください!!!

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